土地に根ざし、伝統の技法を守る和紙づくり|丹後和紙 田中製紙工業所

1300年以上前、京都・丹後地方で始まった和紙づくりの伝統を守り続けているのが、大江町にある「田中製紙工業所」の5代目・田中敏弘さんだ。

明治から昭和の初めの頃には、およそ200軒もの製紙所があったが、今ではその伝統を継ぐただ一つの存在となっている。

紙づくりの製法は昔と変わらないが、時には現代ならではの依頼を受けることもあるという。

最近では「写真を印刷しても滲まないような和紙を作ってほしい」という写真家からの依頼を受け、細かな要望に応じて何度も試作を重ね、用途に適した紙の開発に挑戦した。

また、娘・大森良子さんとともに栞づくりにも取り組む。

水で濡らして和紙を裂く「水切り」という技法を用いており、まっすぐに切った紙とは異なる、唯一無二の風合いが魅力だ。

「身近な物で和紙の存在を感じてもらえたら嬉しいです」と大森さんは笑顔で栞を見せてくれた。

「この土地の楮(こうぞ)、この土地の水でしか出せない紙がある」という誇りを胸に、田中さんは丹後和紙の価値を伝え続けている。

隣接する大江町和紙伝承館では、和紙を使った作品や和紙すきの技法を見ることができる。

また、紙すき体験や栞づくり体験などのアクティビティも楽しめる場となっているので、ぜひあわせてチェックしてほしい。

丹後和紙 田中製紙工業所
京都府福知山市大江町二俣1318番地
TEL:0773-56-0743
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)
Instagram:@omori_tangowashi

大江町和紙伝承館
京都府福知山市大江町二俣(二俣二)1883
TEL:0773-56-2106
開館時間:午前10時~午後4時
開館日:毎週土・日曜日、祝日
(12月28日~翌年1月3日は休館)
入館料:一般200円/高校生150円/小中学生110円

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