福知山ユナイテッド代表理事:片野翔大さん『福知山に、“心震える本物”に出会えるスポーツ文化を』

福知山市出身の片野翔大さんは、地元にスポーツ文化を根付かせたいという想いから、2022年に総合型スポーツクラブ「福知山ユナイテッド」を立ち上げた。

きっかけは高校卒業前、父の勧めで訪れたイギリスでのプレミアリーグ観戦。会場の空気に感動して泣いた経験が、地元に“本物”のスポーツ体験を届ける原点となった。

@幼少期からサッカーに親しみ、プロになることを夢見ていたが、大学では競技レベルの高さに直面し、選手としての道を断念。

そんな時に出会ったのが、スポーツマネジメントの世界だった。

マーケティングデータを活用した選手支援や広報活動に面白さを見出した。

卒業後はマーケティング会社や浦和レッズ、ヤクルトスワローズなどで実務を重ね、スポーツビジネスの知見を広げていく。

コロナ禍でスポーツ業界にも大きなダメージがあり、選手と観客が分断された。

更に、プロの興行がない地域では部活動の中止や大会中止などが相次ぎ、スポーツに関わる子どもたちにとっても厳しい環境が続いた。

そんな経験の中で「子どもたちにトップアスリートや一流の選手と地元で触れ合えるきっかけを届けたい」との考えが強くなり、2021年に福知山で初のイベントを企画。これがクラブ設立の前身となった。

「THE SPORTS」と題して企画するイベントは、多種多様な競技のトップアスリート(一流の選手)を福知山に呼び、子どもたちが直接触れ合える機会となっている。

2024年夏には、元サッカー日本代表の小野伸二さんを招いてイベントを開催。定員の5倍となる約500名の応募があり、大盛況となった。

片野さんは「まさか小野さんを地元に呼べる日が来るとは」と感慨深く語る。

近年力を入れているのは「旅するブカツ」という新たな取り組みだ。

福知山の子どもたちが地域外の部活動と交流するこの企画は、今後本格化する部活動の地域移行に向けたモデルケースとしても注目されている。

子どもたちに多様な出会いや学びの機会を提供し、地域がスポーツを支える基盤をつくることが狙いだ。

福知山ユナイテッドは現在、14チーム・300名を抱えるクラブへと成長。

2025年4月には福知山市民体育館の近くに新オフィスを立ち上げた。新たに専従スタッフも加わり、地域密着の活動を加速させている。

「僕のように一流に触れることで人生が変わる子もいる。そのきっかけを福知山でつくりたい」。

地域の未来を育てる片野さんの挑戦は、今後も更なる進化を目指して続いていく。

片野翔大〈@kshota532
IT企業にて様々な業種やスポーツに関わるマーケティング支援事業に従事。東京ヤクルトスワローズや浦和レッズ等でクラブ経営に携わった後、「部活動地域展開」を中心とした地元のスポーツ振興に貢献すべく、2022年7月7日に福知山ユナイテッドを設立。

福知山ユナイテッド
京都府福知山市和久市町160-2
Instagram:@fukuchiyamaunited

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