「生まれ育った街やゆかりのある地域で、自分らしく働き、納得できるキャリアを描ける社会をつくりたい」。
そう語るのは、株式会社Locatell代表の吉田佐和子さん。
長年続けた音楽家としての表現活動からビジネスへと軸足を移し、2021年に株式会社Locatell（ロカテル）を創業。
福知山市のシティプロモーションやブランディング・クリエイティブ事業、各種芸術イベントのプロデュースや、フランスへの音楽留学支援等の事業を通じて、多角的に人と地域をつなぐ取り組みを続けてきた。
しかし、“働く現場のリアル”は、地域に密接に携わっていてもなかなか見えづらかった。
その経験から、「今度は“働くこと”を起点に、地域とのつながりをさらに深めていきたい」と考えるようになったという。
「京都府北部には多種多様な企業がありますが、企業文化や職場の雰囲気、働いている方々の声、社内での成長のステップなどは、外からはなかなか見えにくいんです。だからこそ、ただ求人情報を届けるだけではなく、ひとりひとりのキャリアプランに丁寧に寄り添いながら、未来の選択肢を共に考えるような支援が必要だと感じました」
昨年、グループ会社として株式会社Locatell Career（ロカテルキャリア）を設立。
今後は、相談者のライフプラン・キャリアプランに合った仕事を紹介する就職・転職支援事業を展開しながら、ウェブメディア「North Kyoto Career」を立ち上げ、仕事探しに役立つ情報を発信していく。
これまで手がけてきたウェブサイト制作・SNS運用・ウェブマーケティングなど、クリエイティブ・プロモーション事業で培ったノウハウを活かし、広報や人材採用に割くリソースが不足しがちな中小企業の採用を一気通貫でサポートできるのが大きな強みだ。
紹介企業を京都府北部に特化することで、地元人材だけでなく、U・I・Jターン、移住希望者のサポートにもつなげる。また、育児休暇からの復職を希望する女性には、保育園入園のアドバイスや就職先との調整も行い、キャリア再構築を支援する。
「都市部での経験を活かして地方で働きたい」「子育ての環境を求めて移住したい」といった暮らしの相談にも丁寧に対応し、ライフステージや価値観に寄り添ったキャリア提案をしていきたいと語る。
「人生で大きな位置を占める“働く場所”を選ぶことは、よりよく生きるための前向きな行動です。“京都府北部で働いて良かった”と思える人を、これからもっと増やしていきたい」そう語る吉田さんの表情は、これからの地域と人の未来を静かに照らしている。
吉田佐和子〈＠sawakoyoshida〉
ふるさと京都府福知山市で、マーケティング・キャリア支援・アートプロデュースを軸に多事業を展開。
一般社団法人福知山芸術文化振興会、株式会社Locatell、グループ会社であるLocatell Careerの代表を務める。
North Kyoto Career：http://northkyotocareer.com/
