「体調を崩してからじゃなく、元気なうちから関わっていく医療をつくりたい」。
そんな思いで「大西内科医院」を継いだのが、大西規史(のりふみ)さんだ。

大西さんは福知山で育ち、祖父・父と続く医院の三代目。
1階が診療所、2階が住まいという環境で育ち、自然と医師を志すようになった。
愛知県の大学で医療を学び、医師免許を取得。京都府立医大、福知山市民病院など異なる規模の病院で経験を積んだ後、「家庭医療専門医」の資格を取るために長野県の病院で地域医療のトレーニングを受けた。
2022年に福知山へ戻り、大西内科医院を継いだ。

「親の診療所をそのまま継ぐのではなく、自分なりに発展させたかった」と話す大西さん。
「家庭医療専門医」を専門として、地域に根ざし、なんでも相談できる存在になることを目指したいと考えた。
医師と患者の接点は、多くの場合、病気や不調が生じたときに限られる。本来なら行きたくない場所であり、行かなくても済むならそれに越したことはない。
しかし家庭医は、元気なときから人と出会い、関係を築くことができる。
院内は、病院にくる人が地域の風景を映すサイネージなどを設け、安心して過ごせる空間に。
医療機関へのハードルを下げようと、子どもたちに医療従事者の仕事を体験してもらえる「プチ・キッザニア」なるイベントを開催。病院に来るという抵抗を少しでも減らしたいという思いからだ。
地域に積極的に関わり接点を広げることで、健康なときから信頼関係をつくり、いざ医療が必要になった際にはその人に合った方法を共に考え、助言する。
患者それぞれが抱える困りごとは多様であり、その一つひとつに向き合うことが家庭医の重要な役割である。
そんな想いから、家庭へ出向いて診療する「訪問医療」にも力を入れる。

「僕が目指しているのは、患者さんのフィールドに出て行って、『何に困っているのかを一緒に考える』こと。人それぞれ困りごとは違うので、そこを扱える医者になりたいんです。今、そういった医療が必要とされているのではないでしょうか」と大西さんは話す。
困ったときに相談でき、からだが健康なときからつながれる場所。
そんな医院を目指して、大西さんは地域で活躍し続けている。
大西規史
福知山で3代続く大西内科医院の院長。
子どもから大人まで、家族みたいに相談できる“まちの診療所”づくりに取り組んでいる。
専門は“家庭医療”。地域の方の健康相談の窓口として「このまちのお医者さん」としての役割を大切にしている。
大西内科医院
福知山市東小谷ヶ丘1630-1
TEL:0773-22-3620
診療時間:8:30 ~ 12:00、16:30 ~ 18:30
休診日:水曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日
HP:https://ohnishinaika.com/