コミュニティカフェ和輪話:大槻奈々さん『カフェでつなぐ3つの“わ”ー三和町でに生まれた優しい居場所』

柔らかな陽が差し込む福知山市三和町の古民家に、ゆっくりとした時間を求めて、人が集まってくる。人と人が出会い、言葉を交わす。

そんな穏やかな時間が流れる場所—それがコミュニティカフェ和輪話(わわわ)だ。

オーナーの大槻奈々さんは、ピアニストとして演奏や指導を行う傍ら、音楽と手作り市を融合させたマルシェなど、さまざまなイベントを主催してきた。

毎回、演者や出店者と再会しながら、新しい出会いのなかで輪が少しずつ広がっていく光景が、何よりの喜びだったという。

しかし、コロナ禍で人が集まれなくなり、活動は一時中断。

3人の子育てが落ち着いたこと、そして挑戦を応援してくれる夫の後押しもあり、「いつでも人とつながれる場所をつくりたい」という想いがかたちになった。

もともとカフェ巡りが好きで、時間を見つけてはお気に入りの店を訪れていたという大槻さん。

本格的に学びたいと決意し、お菓子屋さんで4年間修行を重ね、実践的な経験を積んできた。

また、看板メニューのカレーは大槻さん自身が修行時代にお手伝いに通っていた「スペース09 たまにたねふね」の辛くないスパイスカレーを取り入れている。

「おいしいと思えるもの、自分が心からすすめられるものしか出したくない」という信念のもと、ケーキや人気となったカレーを中心としたメニューが並ぶ。

人々が集い、つながる場所にしたいという想いから、カフェはレンタルスペースとしても活用されている。ライブやワークショップ、ギャラリーなど、多目的な使い方が可能だ。

店内には、大槻さんが好きな楽器やアジアン雑貨がさりげなく並び、インテリアには落ち着いた色味を選ぶことで、訪れる人がゆったりとくつろげる空間づくりを意識している。

ある日、訪れた地域の人に「三つの“わ”で“三和(みわ)”になるんやね」と声をかけられた。

「これしかない!」と名付けた店名には、いつの間にか、この土地とのご縁が編みこまれていた。

「みんなで和輪話行こう!」—そんな言葉が福知山で合言葉のように飛び交う日を夢見て、今日も大槻さんはやさしい笑顔でお店に立っている。

大槻奈々〈@nana.o_01414
2010年より、人と人がつながる場をつくりたいという想いからイベントを多数企画。結婚式場でのピアノ演奏やカフェ勤務を経て、2025年3月『コミュニティカフェ和輪話』をオープン。人が集まり、繋がり、輪が広がる場所を目指す。

コミュニティカフェ和輪話
福知山市三和町千束675-2
営業時間:CAFE 10:00~16:00
     居酒屋 18:00~22:00(第1土曜日のみ)
定休日:日・月・火曜日、第1水曜日
Instagram:@wa_wa_wa_na_na

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