モデル・女優:谷口萌衣子『変化し続ける日々と、広がる視野で向き合う 表現・食・まち』

地元・福知山でアイドルデビューを果たし、現在は東京を拠点にお芝居や地域・食の分野での挑戦を続ける谷口萌衣子さん。

表現の原点は、幼少期に習っていたクラシックバレエ。ステージに立つことが楽しく、自分の身体を通して感情を伝える面白さに惹かれていた。

高校3年生のとき、福知山でご当地アイドルグループが発足。見事オーディションに合格したものの、活動が始まり強く感じたのは、「地元のことを知らないまま“ご当地アイドル”を名乗るのは違うのではないか」という想いだった。

地元への理解を深めたいという思いから、立命館大学文学部の地域研究学域に進学。

街歩きマップを集めるのが好きで、旅先でもついチェックしてしまうという彼女は「定期ライブのたびに遠方から福知山を訪れてくれる方々に街の魅力を伝えたくて、自分でマップを作っていました」と語る。独自の視点で、地元の魅力を届けていた。

大学卒業後は、お芝居やモデルの仕事を本格的に始める一方で、実家の食堂や都内で飲食業を経験。

その中で、食の世界への興味も深まっていく。「厨房に入ってフードコーディネートをしたり、食べることが大好きで、新しい食の出会いに日々ワクワクしています」と笑う。

食や地域に関わる中で、「その魅力をどう魅せるか」ということに関心をもった彼女は、現在、東京の会社で、公園などの場づくりや地域資源を活かしたコミュニティ支援など、幅広い分野で活躍している。

「もともと“ご当地”とか“地域活性”にあんまりかっこいいイメージがなかったんです。でも、Fukuchiyama Magazineみたいな素敵な例もあって、自分もそこに関われるのがすごく嬉しいなって思います」

マガジンの撮影時には、ファッションやヘアメイクにもこだわりを持ち、実際に足を運んだ際の気持ちを想像しながら、取材場所の魅力を引き立てられるよう考える。

制作チームや取材先の方々との対話も楽しみのひとつだという。

「なくなってしまったら、もう取り戻せないものがたくさんある。そういう場所や想いを、残したりアップデートしたりしていけたら」

福知山の空き家や歴史のあるお店、地域の記憶が残る風景。

将来的には、そうしたものを守りながら、新たな価値を吹き込むような活動にも関わっていきたいと話す。

「“えい!”って飛び込んだときの方が、道が開けるし、出会いもぐっと広がる気がする。やってみたいことにはどんどん飛び込んでいきたいです」

福知山というふるさとを舞台に、東京で経験を重ねながら、彼女の表現の場は更に広がっている。

谷口萌衣子〈@moeko_taniguchi
広小路「金時」の娘。立命館・地域研究学域卒業。ミスiD、福知山ご当地アイドル、ミスキャンパス立命館などを経て、モデル・女優の活動をしながら、都内で官民連携などの場づくりに携わる。

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