京都府宇治市出身で、現在は福知山市と園部市を拠点に、福知山での子育てと教育について考え、対話し、動くチーム「ふくちっこ」副代表をつとめる小谷明日香さん。

神戸大学卒業後はリクルートの東京本社にてマーケティング職に従事し、約7年間にわたって東京で働いた。
しかし、子育ての未来を考えたとき、東京での生活に疑問を感じるように。
「向こうでの仕事や仲間も離れがたかったけれど、地元・京都で活躍する人との出会いを通じて、“無職でも帰ろう”と思えた」と当時を振り返る。
そんなタイミングで京都への移住支援を行う「京都移住計画」の代表に声をかけられたのがきっかけで、2014年に京都へUターン。
以来5年半、京都移住コンシェルジュ初代リーダーとして、府内各地への移住をサポートしてきた。
仕事が大好きだった彼女に転機が訪れたのは、第一子を妊娠したとき。
出産後、思うように働けなくなり、自身の無力感に悩まされる日々が続いた。
そんな中、舞鶴の子育て支援施設で出会った母親たちの言葉が、彼女を大きく動かすことになる。
「子どもは可愛いけど働きづらくなった」と悩むのは自分だけではなかったのだ。
「出産を経験した方達が社会に対して力を活かせる仕組みをつくれば、私だけじゃなく、もっと多くの人が救われるかもしれない」。
そんな思いから生まれたのが、子育て中でも在宅で安心して働けるチーム型の業務請負サービス「team.m」。

2024年9月にteam.m株式会社として法人化し、現在は京都北部を中心に150名のメンバーが在籍。
プライベートでは、福知山に新居を構え、夫の勤務に合わせて平日は園部、週末は福知山で暮らす“二拠点生活”を送っている。
福知山では家庭菜園を楽しみながら、地域の人たちとのつながりを大切にする日々。
自然の中でのびのびと過ごす3人のこどもの姿に、地方で子育てする魅力を改めて感じているという。
都会との距離感に違和感を覚えていたからこそ、「福知山の人との距離感がちょうどいい」と話す。
また、三和町のかわい承学校(旧福知山市立川合小学校)では、ふくちっこの活動拠点として、オランダ発祥の修理文化を取り入れたリペアカフェや、凸凹でも生きやすい環境づくりと題して作業療法士と共に講演会を開催するなど、地域での学びや交流の場づくりにも取り組んでいる。

「親が一緒に体験して子どもに語りかけることは大事だと思う。こどもは学校や家だけでなく、自然体験や地域での体験を通して育つのでは」と思いを語ってくれた。
主体的な学びがたくさん生まれる場所づくりを目指しているふくちっこ。

「子どもたちの感性を大切にしたい。そのためには、大人が“気づける目”を持つきっかけ作りになれば」。
そんな思いを胸に、更なる魅力的なプロジェクトを生み出すため、小谷さんは新しい挑戦を続けている。
小谷明日香
神戸大学経済学部卒。(株)リクルートにて物流管理、マーケティング、京都にUターン後(株)ツナグムにて京都府の移住支援に携わる。2020年一般社団法人KOKINにて、team.mを立ち上げ、2024年チームエム株式会社を設立、代表取締役に就任。ふくちっこ副代表。
ふくちっこ: @fukuchi.kko
team.m株式会社:https://x.gd/1y0XY