印刷・はんこ店として長年親しまれてきた福知堂が、「はんこカフェ」として新たなスタートを切ったのは5年前のこと。

店頭の看板には、栗とフクロウをかけ合わせた愛らしいキャラクター「くりのすけ」が描かれ、どこか懐かしく、あたたかな空気が漂う。
この変化のきっかけは、“くり社長”こと奥田友昭さんが、丹波のブランド栗『丹波栗』を使って、福知山の新しい名物をつくりたいと、三和町で栗農園を始めたことにある。

看板スイーツのモンブランは、富士山のようなフォルムから「丹波富士」と名づけられ、いまや福知山を代表する存在となっている。

今年は、丹波栗と酪農家の牛乳を使ったソフトクリーム「あいすモンブラン」も仲間入りし、6月下旬から販売を始めた。
かつての印鑑店の面影を残す店内は、印鑑ケースの陳列にも工夫が凝らされており、若者や観光客の目を引くデザインに仕上げられている。

カフェでくつろぎながら印鑑の相談もできるというのは、この場所ならではのスタイル。
はんこ文化が変わりつつある今も、贈り物や記念品としての価値を伝えたいという想いは変わらない。
また、イベント出店にも積極的に取り組んでいる。
モンブランや栗カヌレを口にした人からは、「めっちゃ栗!福知山にこんなに美味しいスイーツがあるなんて」と驚きの声が上がることも多い。
市内のカフェやレストランからは、栗を使わせてほしいという依頼も増え、ビールやカヌレなど、栗を使った商品が次々と生まれている。
はんこという昔ながらのものづくりから始まった挑戦。

福知山の栗から生まれた、新しいスイーツの定番が、この街の魅力を届け、人と人とをつないでいる。
株式会社福知堂 はんこカフェ
福知山市末広町1丁目15
TEL:0773-22-3077
営業時間:9:00〜17:00
定休日:第2,4土曜日、日曜日、祝日
Instagram:@fukuchido1946